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2011/04/27

狂犬病予防ワクチン接種率は本当に4割以下か?

私は犬には興味ないのですが、ある日ネットで狂犬病に関する話を読みました。
狂犬病の流行を防ぐためには狂犬病予防ワクチンの接種率は70%以上でないといけないらしいのですが現状は40%以下だそうです。

(追記:動物病院にある狂犬病について警告している本にも同じことが書いてありました)

例えば以下は狂犬病予防注射は不要と書いてあるサイトです。

狂犬病予防ワクチン注射のからくり 狂犬病予防法は御用済みの悪法だ!

 厚生労働省発表の平成17年の犬の登録頭数及び予防注射頭数と同年のペットフ-ド工業会調査の犬の頭数から計算すると、犬の狂犬病注射率の全国平均は37,0%だ。

 厚労省の犬の登録頭数は6,531,381頭で、狂犬病ワクチンを注射した犬は4,834,741頭だ。注射率は74,0%になる。

 一方、ペットフ-ド工業会の調査によると、犬の頭数は1,3068、000頭だ。 この数字を基にすると、犬の登録率は50,0%で、注射率は37,0%だ。

狂犬病のwikipediaを読むと日本の狂犬病の項目で

1950年の狂犬病予防法施行による飼い犬の登録とワクチン接種の義務化、徹底した野犬の駆除によって1956年以来、犬、ヒト、共に狂犬病の発生はない。ただし、犬による咬傷事故が届出だけで毎年6,000件以上報告される現状で[18]、犬への狂犬病ワクチンの接種率は近年低下しており、厚生労働省の調査による2007年度の登録頭数は約674万頭、接種率75.6%[19]だが、同年のペットフード工業会の全国調査による犬の飼育頭数は約1,252万2,000頭[20]であり、これから割り出される未登録犬も含めた予防注射実施率は約40%と、流行を防ぐために必要とされるWHOガイドラインの70%を遥かに下回っている。

と書かれています。

毎日新聞にも同様なことが書かれています。

http://mainichi.jp/life/housing/petnavi/news/20110118ddm013100009000c.html

厚生労働省によると、09年度の犬の登録数は688万844匹。そのうち511万2401匹に狂犬病の予防注射が行われた。一見、予防注射の実施率は高くみえるが、飼い主が登録を怠っている犬も少なくない。ペットフード協会がインターネット調査から推定した実際の犬の飼育数は同年度1232万2000匹に上り、実際の予防注射実施率は40%程度とみられる。WHOは「少なくとも70%以上」との目安を示しているが、遠く及ばないのが現状だ。

獣医さんのサイトなどにも接種率は40%が現状であると書かれてあったりします。

70%以上の接種率が必要かどうかとか、ワクチン接種は必要かどうかは私にはわかりません。
しかし、上記の40%という数字の算出方法には疑問がわきました。

未登録含めた全ての犬の頭数に対して接種頭数の比率が約40%なわけです。

未登録含めた犬の全頭数に関してはペットフード工業会の調査結果を使い、接種頭数には厚生労働省のデータを使っています。

ここで疑問があります。
ペットフード工業会は2005年(平成17年)は13068000頭、2007年(平成19年)は12522000頭という全頭数をどうやって数えたのでしょうか?
日本全国を廻って一匹一匹数えるわけにはいかないので、毎日新聞に書かれている通りインターネット調査を使っています。

それでは調べてみましょう。

調査結果はペットフード工業会(現:ペットフード協会)の全国犬猫飼育実態調査というページです。
http://www.petfood.or.jp/data/

第14回(2007年) 全国調査結果を見てみましょう。

調査概要のページを見てみると、調査方法と飼育頭数(全頭数)の算出方法が書いてあります。

調査方法はインターネット調査となっています。抽出方法はYahoo!リサーチモニターとなっています。
Yahoo!リサーチモニターというのを調べてみると、Yahooの登録モニターを使ったアンケートです。つまりインターネットを使ったアンケートです。

というわけで調査対象となる人は パソコンを所持している+Yahooを利用している+Yahoo!リサーチモニターに登録している という条件を満たしている人です。 こんな人が偏りなく日本全国に分布してるんでしょうか? 笑っていいとものテレフォンショッキングの100分の1アンケートで1名見つかるかどうかってレベルな条件です。 以下、登録ガイドラインより。
 Yahoo!リサーチ・モニターとは、あらかじめYahoo! JAPANのYahoo!リサーチ・モニター・データベースにご登録いただいた、調査にご協力いただける可能性がある方々のことをいいます。こうした調査を正確に実施するためには利用者の方々の基本的な属性を把握し、数多くの利用者のなかから個々の調査ごとに調査対象として最適な要件を備えている方々に調査への参加をご案内する必要があります。  したがって、Yahoo!リサーチ・モニターへのご登録の際には、調査対象を選択するために必要な属性を記載していただくことになります。
参考URL:http://research.yahoo.co.jp/monitor/guideline.html このように登録ガイドラインによれば調査対象者を無作為抽出しているわけではなく個々の調査ごとに該当者を選択しています。

標本数(サンプリング数)は有効回答数が4666サンプルとなっています。

調査概要のページの最後に図が載っていますが、アンケート結果から算出した飼育世帯率と住民基本台帳世帯数から算出した世帯数から飼育頭数(全頭数)を拡大推計して算出しています。

ようするにインターネットのアンケート結果4666数を全国(沖縄除く)の世帯数に広げたものが12522000頭という数字なわけです。
これは他の年もサンプル数は違いますがほぼ同様です。

傾向や分布などを把握するならともかく、この方法で飼育頭数(全頭数)を算出するのは乱暴ではないでしょうか?
この数字と厚生労働省の接種頭数とを比べて接種率の数字を算出してもどこまで現実を反映したものか怪しいものだと考えます。

大体、アンケートとるなら予防接種も項目に入れてくれれば、こんな無理やりな組み合わせで予防接種率を算出する必要がないわけです。

同じことを考えたのかどうか知りませんが、2010年から調査内容が変わったようです。

2010年(平成22年)の全国犬猫飼育実態調査ではやはりインターネット調査を行っていますが、50000サンプルで飼育頭数(全頭数)を11861000頭と算出しています。2005年、2007年、2009年とほぼ同じ頭数となっています。

ここで注目したいのはこの調査では1年以内予防接種実施状況を調べていることです

http://www.petfood.or.jp/data/chart2010/05.html

それによると平均で85.0%が狂犬病の予防接種を行っています。

11861000頭の85%=10081850頭、つまり1000万頭以上の犬が予防接種を受けています。厚生労働省に登録している犬は700万頭もいないのにです。

飼育頭数(全頭数)11861000頭が正しければ厚生労働省が把握している接種頭数以上の犬が予防接種を受けていることになってしまいますwww

完全に数値のつじつまがあいません。

ペットフード工業会(現:ペットフード協会)の算出した飼育頭数(全頭数)に無理があるのです。

「そんなはずがない。平均予防接種率85.0%という数字は実態を反映してない」と言うのであればペットフード工業会(現:ペットフード協会)の調査そのものが実態を反映していないのです。

結論として

狂犬病予防接種について主張するにせよ議論するにせよ新聞記事にするにせよ、ペットフード工業会(現:ペットフード協会)の調査結果を使うのであれば

狂犬病予防接種率は2010年(平成22年)は85.0%

という数字を用いるべきです。

85%も予防接種しているわけがなく実態と違うのかもしれません。 しかし、4割以下という数値にはもはや意味がないのです。 4割以下という数値に振り回されてるだけです。

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